“本当の防災”を学ぶ「人とペットの防災救急士養成講座」体験リポート③

第2回では、災害の種類や地域特性を知り、“想定外を想像すること”の大切さをお伝えしました。最終回となる第3回は、非常時に本当に役立つ避難グッズの選び方や、命を守るツールとしてスマホを使いこなすポイントを紹介します。

買って終わりにしない、実際に使ってみる

自然災害は、いつ、どこで、どのくらいの規模で起こるか予測できません。避難生活もどれくらい続くか分かりません。そのため事前の備えが重要なのです。備蓄品は最低3日分、可能なら1週間分が推奨とされています。発災後すぐに支援物資が届くとは限らず、特にペット用品は物流の優先度が低くなりがちなので、人だけでなくペットも日常の生活レベルを維持できる量と種類を備えておくことが大切です。

しかし、避難グッズを「買って満足してしまう」という気の緩みには注意が必要です。

備えは持っているだけでは意味がありません。実際に使える状態にしておくことが重要です

講師の立岡伸章さんはそう声を大にして訴えます。ポータブル電源やソーラーパネル、非常用トイレなどは、実際に使ってみないと性能や使い勝手が分かりません。特に機械類は動かさないと劣化します。定期的に電源を入れて使うことを習慣化しておかないと、いざというときに故障して使えないという事態になりかねません。キーワードは、“備えは生活の一部に組み込むもの”。特別なことをするのではなく、日常の中で無理なく続けられる備えを意識しましょう。

立岡さんは簡易食や携帯トイレなどが入ったコンパクトな防災バッグの携行も推奨します

スマホが人とペットの命を救うカギに

講習会ではスマートフォンを使った演習も行います。停電時を想定し、ロックしたままの状態でスマホのライトを点けたり、意外と知られていないスマホの側面ボタンを押して緊急SOSを呼び出したりする方法を確認しました。

また、立岡さんはスマホに自身の緊急情報(iPhoneでは「メディカルID」)を登録しておくことも強く勧めます。これは、スマホの所有者が自分の病気や常用薬、アレルギー情報、緊急連絡先などを予め登録しておくもので、緊急電話の画面から参照できます。パスワードが分からなくても情報を閲覧できるため、もし本人が倒れて意識がない状態でも、救急隊員や周囲の人が持病やアレルギーの有無などを確認して適切な処置を施したり、家族などに緊急の連絡をしたりできます。

さらに、メディカルIDにはメモ欄があり、ここにペットの情報(名前、年齢、病気や薬、特徴、かかりつけ病院など)を入れておくことも重要です。飼い主に万が一のことが起こったときに、この情報を基に家に残されたペットを救出するための初動を早められる可能性があるからです。今一度自身のスマホの緊急情報の登録内容を確認しておきましょう。

このほか、安否連絡を音声で録音・再生できる災害用伝言ダイヤル「171」や、大規模災害や通信障害時に開放される無料のWi-Fi「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」も紹介されました。いずれも知っておくといざというときに役立つサービスです。

立岡さんのメッセージ

本講座は、救急救命学を学問として追究する中で得られた知見やデータと、災害現場でも実践できる有用性の両方を押さえた内容になっています。「災害時にペットの命を救うためには、まず人が生き延びる」という大原則のもと、学術と現場実践を兼ね備えた“本当の防災”というものをぜひ知っていただきたいと思います。

本講習会は、受講した日から2年間は無料で再受講が可能となっています。1回の講習会で全てを覚えることは難しいでしょうし、人は一生懸命学んでもそのままでは3~6カ月で忘れてしまうものです。大切なことは非常時に正しい行動がとれるようになることですので、ぜひ繰り返し受講して内容の理解を確かなものにしていただきたいと思います。

また、本講座では5年ごとに改定される心肺蘇生法の国際ガイドラインの最新版(2025年版)の内容もいち早く取り入れています。過去に学んだ知識のアップデートという意味でも、繰り返しの学習をお勧めします。ぜひ講習会場でお待ちしています。

「人とペットの防災救急士資格取得講習会」のお申し込みはこちら

講習の申し込み | 人とペットの防災救急塾

投稿者

荘子

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です